御拝聴いただき、ありがとうございました - ケンジ先生
2016/09/19 (Mon) 02:16:08
人前でスピーチをするときは、感謝の言葉でしめくくるのが慣例になっている。そんなとき、「御拝聴いただき、ありがとうございました」と言えば、それまでどんなに上手に話しても、すべては台無しである。
本人は聴衆を立てて「拝聴」としたのかも知れないが、この言葉が問題。「拝聴」とは「聴く」の謙譲語で、「聴かせていただく」という意味であり、聴衆がへりくだっていることになってしまう。スピーチした者が聞き手より上位になってしまうのだ。スピーチをした人間が自分で口にする言葉ではないのだ。
こんなときは、「拝聴」ではなく、「清聴」を使うことだ。「御清聴いただき、ありがとうございました」なら問題はない。